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2021年2月1日
生徒および保護者の方々へ 校長室から2月号
2021.2.1
早いもので2月となりました。1月29日からは再び日本列島に寒波がやってきて北海道、東北、北陸等、厳しい寒さとなりました。
新型コロナウィルスの第3波の収束が見えず、感染拡大が続く中、11都府県に国の緊急事態宣言が発令され、本県でも人口10万人あたりの感染者数、病床使用率等、国の基準を超え、県独自の緊急事態宣言が発令されました。ここに来て、ようやく減少傾向となっており、収束への光が見えてきた感じがしています。このまま減少に転じるのか再び増加するのか、今が勝負所だと言われています。今一度、私たち一人一人が自分事として考え、自覚と責任を持って、「3密」の回避、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒など「新しい生活様式」を実践・徹底することが収束へ導くと思っています。
本校では1月17日に中学校入試Ⅱ期、1月20日には高校の専願生・奨学生入試を実施しました。試験会場となる教室等、すべての使用施設を消毒するなど、コロナ禍にあって細心の注意を払っての入学試験となりましたが、各中学校の先生方、受験生とその保護者の皆さんのご協力のおかげで無事に終了することができました。心から感謝しています。
また、1月30日・31日には、大学入学共通テスト(第2日程)がコロナ禍での授業の遅れ等の理由のため申請していた受験生の本試験と1月16日・17日に体調不良等で受験できなかった受験生の追試験または再試験として行われました。前回の第1日程と同様、全都道府県に試験会場が設けられており、本県では熊本大学で13人が受験すると発表されていました。さらに、コロナ禍にあって第2日程の追試験として2月13日・14日に大学入学共通テスト(特例追試験)が設けられています。
さて、2月と言えば豆まき、最近は恵方巻きなどで知られる節分ですが、今年の節分は、2月2日です。節分は、2月3日と思っている人が多いと思いますが、この日付は固定しているのではなく変動します。国立天文台暦計算室によれば、節分が2月3日でなくなるのは1984年(昭和59年)の2月4日以来37年ぶり、2月2日になるのは1987年(明治30年)の2月2日以来124年ぶりのことだそうです。節分は、季節を分けるという意味の雑節で、本来は各季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬の前日それぞれを指していたそうですが、立春の前日だけが残ったようです。つまり、立春が定まれば節分もその前日として定まるということです。立春は、春分や秋分と同じく二十四節気の一つですので、2012年の秋分と同じように変動します。1年ごとに1太陽年(365.2422日)と1年(365日)の差(約6時間)の分遅くなるため、うるう年を設けるなど補正していますがそれでもずれが生じるのです。こうして、しばらく2月4日の中に納まっていた立春の日が今年は2月3日へ移り、その前日の節分も連動して2月2日へ移ったということです。節分には、「豆をまいて鬼を追い払い、新しい年を迎える」という新しい季節への期待が込められています。是非、今年の節分には、豆をまいてコロナを追い払い、この春には日常の生活を取り戻したいものです。新型コロナウイルスによる混乱も1年あまり続いています。2月末からは、医療従事者へのワクチン接種の開始など話題となり、各自治体でもその準備が進められている報道等なされています。日本で新型コロナウイルスのワクチンが認可される日も近いのではないかと予想されます。ワクチン接種もコロナ対策には重要ですが、まずは、この危機を私たち一人一人が自分事として考え、「3密」の回避、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒などできることを実践・徹底し、コロナを退散させたいものです。
2021年1月9日
生徒および保護者の方々へ 校長室から1月号
2021.1.9
新年明けましておめでとうございます。12月30日から寒波がきて、熊本市内でも積雪がありました。1月7日からは再び日本列島に寒波がやってきて熊本でも雪が舞い、一層厳しい寒さとなっています。例年、大学入試センター試験の頃は寒くなりますが、今年は例年以上に早くから寒さが厳しくなっているように感じます。
新型コロナウィルスの第3波は収束するどころか、感染拡大が続いており、連日のように感染者数の過去最多更新との報道がなされ、先の見えない状況となっています。東京都と神奈川、埼玉、千葉の3県については、1月7日に緊急事態宣言が再発令されました。Go Toトラベル事業も全国的に停止となり、再開のめどが立たない状況となっています。治療に当たる医療機関の逼迫も叫ばれています。国の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、緊急事態宣言に関連して、国民一人一人が現下の状況を他人事と考えるのでなく、自分事として考え、行動することが感染拡大防止に最も効果があると言っておられます。私たち一人一人が自分事として考え、求められる「3密」の回避、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒など「新しい生活様式」を実践・徹底することが求められています。私たち一人一人の自覚と責任ある行動が感染拡大を抑え、収束へと導くのです。
また、1月16日・17日には、これまでの「大学入試センター試験」から新しくなった最初の「大学入学共通テスト」が行われます。文部科学省は、「大学入学共通テスト」を予定どおり実施すると発表しています。各大学も現時点では予定どおり個別試験を実施する方向である旨を発表しています。コロナ禍にあって細心の注意を払っての本格的な入試シーズン到来です。本校でも1月17日に中学校入試Ⅱ期、1月20日には高校の専願生・奨学生入試を実施します。大学入試においても、高校入試においても受験生の立場に立った配慮が重要であると考えています。
さて、昨年延期になった東京オリンピック・パラリンピックが本年7月から開催される予定となっています。このオリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、本年のカレンダーも急遽、7月22日を海の日、7月23日をスポーツの日、8月8日を山の日と変更されました。既に印刷されていたカレンダーも多く、変更されていないものが多くあります。校長室のカレンダーも変更前のものです。今は、新型コロナウイルスの収束が見えず、制約の多い生活が続いているのが現状ですが、このオリンピック・パラリンピックの開催は、東日本大震災からの復興を世界にアピールするとともに、世界中がコロナ禍での制約の多い生活から日常を取り戻し、新型コロナウイルスを人類が克服した証とする大会としたいという思いが込められています。東京オリンピックの開会式が行われる新国立競技場を設計された隈研吾氏は「“制約”を楽しめ」と話されています。コロナ禍で施設の建設費も削減され、限られた予算の中でより魅力ある施設を提案することが求められる中、建築家としての創造性と力量が試され、やりがいを感じると話されています。困難な中にあっても、前向きに、しっかりと取り組んでいくことの大切さを訴えておられます。私たちは、困難に遭遇するとついつい悲観的になりがちですが、この危機を日常の生活に臨む姿勢を見直し、あるべき姿を追求するチャンスと捉え、日々の生活がより充実したものとなるよう前向きに取り組んでいくことが重要であると思います。
まずは、私たち一人一人がコロナ禍の現下の状況を自分事として考え、できることを確実に実践し克服する努力を続けることだと思っています。私たち一人一人の実践に日常の当たり前の生活とその先の東京オリンピック・パラリンピックの開催がかかっています。
2020年12月2日
生徒および保護者の方々へ 校長室から12月号
2020.12.1
12月に入った途端に寒波がきて冬らしい寒さになってきました。寒さの到来とともに、北半球での新型コロナウィルスの感染拡大が急速に進んでいます。日本でも新型コロナウィルスの感染拡大が続いており、連日のように報道されています。感染者数が記録を更新している日も続きました。国の専門家会議では、ここ3週間が感染拡大防止のための勝負所との説明があっており、経済の回復と地域の活性化を狙って始められたGo Toトラベル事業等を中断したり、飲食店の営業時間の制限をしたりする地域も出てきました。今回の感染拡大では、夏の第2波の時とは異なり、年齢層が高くなっており、重症化している患者が増加しています。治療に当たる医療機関の逼迫が懸念されています。一方で冬に流行するインフルエンザの感染者数が極めて少なくなっており、新型コロナウィルスに対する予防策がインフルエンザへの感染予防に大きな効果を発揮していると考えられています。私たちは、新型コロナウイルスにいつどこで感染するかわからないという危機感を常に持ちながら、感染防止のための努力を積み重ねていく必要があります。私たちにできる努力は、まずは自己の健康管理に気をつけて「3密」を避け、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒など「新しい生活様式」をしっかり実践することです。一人一人のこの努力の積み重ねが感染拡大防止に大きな効果をもたらすものと考えます。日常の当たり前を取り戻すために、新型コロナウイルスの感染拡大への危機意識をみんなで共有し、「新しい生活様式」の実践が当たり前、徹底するということが求められています。インフルエンザとの同時流行が危惧されており、インフルエンザの予防接種をすることもその一つです。
また、これから大学入試等本格化し、人の移動も更に活発化します。いつどこで感染するか分からない状況は一層高まります。8月に出された文部科学大臣のメッセージに「新型コロナウイルスには誰もが感染する可能性があります。感染した人や症状のある人を責めるのではなく、思いやりの気持ちを持ち、感染した人たちが早く治るよう励まし、治って戻ってきたときには温かく迎えてほしいと思います。もし、自分が感染したり症状があったりしたら、友達にはどうしてほしいかということを考えて行動してほしいと思います。また、高齢者や病気がちの人は、感染すると症状が重くなってしまう危険があります。自分は元気だから大丈夫ということではなく、そのような人たちに感染させることがないよう、思いやりの気持ちを持ってほしいと思います。」とあるように、私たちの高い人権感覚とそれに基づく行動が求められています。医療従事者や社会活動を支えていただいている人たち(エッセンシャルワーカー)への敬意や感謝の気持ちも忘れてはならないと思っています。
さて、先日、新聞に元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカさんの記事が掲載されていました。このホセ・ムヒカさんは、「世界一貧しい大統領」の愛称で有名になった人です。大統領になっても質素な暮らしを続け、国民のために社会改革を進めたと言われています。数年前に日本を訪れたとき、日本の若者への講演の中で、人生で一番大切なものは「勝利でなく、歩き続けること」と話されています。「歩き続けること」とは、「転ぶたびに起き上がり、それから、また新たに何かを始める勇気を持つ。何かに打ち負かされたときに、また立ち上がる」ということです。偉大な人は、常に世の中の先を見て、一番大切なことを心の中心に起き、実践しているのだと感じました。今、このコロナ禍にあって、大切なことは、私たちにできることを確実に実践し、克服する努力を続けることであると思います。みんなの幸せ、日常の当たり前を取り戻すために、「歩き続け」ましょう。
2020年11月13日
生徒および保護者の方々へ 校長室から11月号
10月は気候も安定し、少し肌寒くなりましたが過ごし易い一月だったように思います。11月に入り日ごとに寒さが増しているのを感じます。高校では前学期期末考査を10月6日~9日まで実施し、中学校では2学期中間考査を10月8日と9日に実施しました。10月21日には高校の生徒会役員選挙があり、12人の役員候補の立ち会い演説が行われました。立ち会い演説では、その多くが生徒自ら主体的に運営する生徒会活動の実現を訴え、学校を活性化したいと熱く語っていました。10月31日には、コロナ禍での制限の中、高校生は文化行事として授業での取組やクラス、有志、部活動での企画を披露し、中学生は、「つなぐ」をテーマに文化発表会として日ごろの授業の成果、クラス企画等、披露してくれ、高校・中学ともに盛り上げてもらいました。中学校のテーマ「つなぐ」には、「文徳中全員が一つにつながれるようにしたい。そして、一人一人の個性を発揮できる機会にし、みんなの個性もつなげていきたい」との思いが込められており、展示会場のウェルカムボードの虹と人型のメッセージカードも同様に「心をつなぐ」メッセージ性の高いものとなっており、中学生の思いを体現する発表会でした。
また、11月に入り、全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、大変心配される状況となっています。私たちには、これからのインフルエンザの流行とともに、新型コロナウイルスにいつどこで感染するかわからないという危機感が一層つきまとってきます。今後も、私たちにできる努力、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒など「新しい生活様式」をしっかり実践する必要があります。体操の金メダリストの内村航平選手は、国際大会を前に新型コロナウィルスの偽陽性と判断され、本人の出場だけでなく、大会の開催そのものが危ぶまれた経験から、何事も「できない」じゃなく、「どうやったらできるか」を考え、厳しい感染症対策も当たり前と思う気持ちが大切であると言っています。
さて、NHKで放送されている連続テレビ小説「エール」を知っているでしょうか。番組の紹介には、「作曲家である古関裕而氏をモデルとしたもので、作品名の『エール』は『応援』の意で、東日本大震災から10年の節目を目前に『福島を応援したい』との思いを込めて企画され、福島出身の主人公を模索する中で福島の偉人であり多くの応援歌を作った作曲家の古関裕而に着目したもの」と書かれていました。古関裕而氏は、戦災孤児の救済がテーマのラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の主題歌「とんがり帽子」、長崎だけでなく日本全体に向けた壮大な鎮魂歌「長崎の鐘」、高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」、戦後日本の発展の象徴でもある1964年開催の東京オリンピックの開会式で鳴り響いた「オリンピック・マーチ」など数多く創作し、日本の復興を音楽で支えた人です。高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」は、今も新鮮で大会の度に流れており、感動をもらっています。本来、この「エール」は9月末で放送が終了する予定でしたが、コロナ禍にあって収録ができない時期があり、11月28日まで放送されることになっています。昭和という激動の時代に人々の心に寄り添い、戦時歌謡を作曲したことへの苦悩から戦後の混乱を乗り越え復興に向かう日本を勇気づける歌の創作へと駆り立てられていく主人公とそれを取り巻く人々の姿が描かれています。この11月の終盤は、日本の戦後の復興を支えた応援歌がその背景とともに描かれており、今のコロナ禍と重なって「エール」をもらっているように感じます。このドラマでは、平和の大切さ、困難から立ち上る時の心の支え、人と人のつながり、家族愛など、多くのことを考えさせられます。録画等してのぞいてみてください。このコロナ禍にあって、がんばっている皆さんに元気を与えてくれるものと思います。
2020年10月2日
生徒および保護者の方々へ 校長室から10月号
9月6日から7日にかけて、特別警報級に発達するといわれた台風10号の接近でずいぶんと心配させられました。台風接近の前には、店舗で養生テープが売り切れたり、食料品が売り切れたりして、多くの人が、“今回は危ない”と危機感を持って事前にしっかりと対策を講じていたのが感じられました。台風も特別警報級には発達せず、本県では甚大な被害とならず安堵しましたが、地域によっては暴風や豪雨により大きな被害が出ています。7月豪雨・台風10号と続けて九州を襲った自然災害となり、その怖さと危機への備えの大切さを実感しています。台風通過後は、秋雨前線の停滞等で雨の日が続きましたが、天候も回復し、最近は気温も下がり、朝夕は少し肌寒いくらいで、めっきり秋らしくなってきたように思います。コスモスの話も聞かれるようになり一層秋を感じています。今年は10月1日が中秋の名月、翌2日が満月で、中秋の名月と満月がずれています。
また、8月から新型コロナウイルスの感染者数が再び増加し、第2波の到来ともいわれる中、本県でも最高のリスクレベル4(特別警報)が継続していましたが、ようやく感染者がでない日が続くようになり、リスクレベル3、そして、リスクレベル2と引き下げられました。10月1日からは、Go Toトラベル事業に東京発着の旅行も含まれるようになり、人の往来が一層活発になると予想されます。私たちには、新型コロナウイルスにいつどこで感染するかわからないという危機感が常につきまとっています。その場その場の状況をしっかり判断し、「3密」を避け、毎日の健康チェック、マスクの着用、手洗いの励行など「新しい生活様式」を今後もしっかり実践する必要があります。厚生労働省は、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA:COVID-19 Contact-Confirming Application)の活用を推奨しています。可能な限り活用し、リスクの軽減を図りたいものです。
さて、大相撲秋場所で本県宇土市出身の関脇 正代関が13勝2敗で幕内初優勝を果たし賜杯を手にしました。優勝制度ができてから本県出身の力士が優勝したのは初めてだそうです。千秋楽の取組をテレビ等で観戦した人も多かったのではないかと思います。新入幕で勢いに乗り優勝を狙う翔猿関との一番で、追い込まれた場面もありましたが、最後は土俵際で突き落として勝利しました。正代関は、4年前の熊本地震や令和2年7月豪雨等で被災し、困難な中にある県民に元気と勇気を与えたいとよく話されており、インタビューで「地元の応援が力になった。自分の相撲で少しでも楽しんでもらおうと。ほんの少しだけど恩返しできた」「最後まで諦めないのが良かった」と話されていました。今年に入って優勝目前にしながら逃していた経験が生きたとも話されていました。新聞等では、期待されながらもなかなか勝てずやっとつかんだ優勝を、これまでの苦難を乗り越え悲願を達成した「大器晩成」との見出しで称えています。正代関は、場所中のインタビューで、目の前の一番一番に全力を尽くすことをいつも話されていました。解説者も腰高をよく指摘されていましたが、それを個性として生かして突進力をつけ正代関らしい取組になっていると話されるようになりました。今場所の正代関の取組で、多くの県民が、元気と勇気、希望をもらったのではないかと思います。殊勲賞と敢闘賞も受賞し、大関昇進も決まりました。次の場所でも目の前の一番一番に全力を尽くし、熱戦を期待したいと思います。その積み重ねのうえに、きっと横綱が見えてくるものと思います。
まだまだ、新型コロナウイルス禍で厳しい環境にありますが、今後も自分たちに何ができるのかをしっかりと考え、私たちも目の前の一つ一つに全力を尽くしていきましょう。