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2024年1月15日
生徒および保護者の方々へ 校長室から1月
2024.1.15
1月1日午後4時10分ごろ石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」が発生し、甚大な被害が出ています。政府は、能登半島地震を激甚災害に指定すると発表しています。いまだ全容は判明していない状況ですが、余震が続き、お亡くなりになった方、安否不明の方も多く、熊本地震を超える被害状況となっています。お亡くなりになった方のご冥福と安否不明の方が一日も早く見つかる事をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。被災された地域の一日も早い復旧・復興を願っています。
1月9日の始業式では全校生徒で式の前にお亡くなりになった方のご冥福を祈り、黙とうを捧げました。熊本地震から8年近くが経ちますが当時の記憶がよみがえり、今、能登半島地震で被災された皆さんがどんな思いでいらっしゃるのか、ご心労の大きさを考えずにはいられません。昨日まで大学入学共通テストが2日間実施されましたが、被災した高校生が厳しい環境の中、避難所等で勉強をして受験に臨む様子が報道されていました。インタビューでは、支えてくださる周囲の方への感謝の気持ちを述べ、地震に負けず強い気持ちで受験に立ち向かう姿があり、逆境に負けない強さ・たくましさに感動しました。度重なる自然災害の怖さと日常の生活ができることのありがたさを強く感じます。私たちは、熊本地震の際、多くの支援、励ましをいただきました。本校でも「何ができるか」みんなで考え、しっかり実践していきたいと思っています。早速、本校の生徒会では、被災地支援の募金活動を開始しました。
さて、新たな年、令和6年・2024年が始まりました。今年は閏年で、2月29日があります。干支は「辰」(竜・龍)です。「辰」は、十二支の動物で、唯一伝説上の生物であり、龍が現れると何かおめでたいことが起きると考えられていました。三学期は、1年で一番短い学期ですが、1月13日・14日には、大学入学共通テストが実施され、高校3年生の仕上げの大学入試等が最大の山場を迎えます。その後、高校入試、2月には学年末考査、2月29日には高校の卒業式、3月11日には中学校の修了式と対外的にも大きな行事が続きます。1月末から2月初めには高校1年生(4泊5日)と中学2年生(2泊3日)の修学旅行があります。計画的に過ごさないと行事に追われ、あっという間に過ぎてしまいます。
「1年の計は元旦にあり」といわれます。生徒諸君には、各自の強み・良さ・得意を生かし、それぞれが今置かれている環境の中で「今、何を為すべきか。今できることは何か」を考えて1年の計画を立て、勇気を持って一歩を踏み出し、全力でチャレンジしてほしいと思っています。文徳生みんなで、各自の良さ・得意を発揮して希望に満ちた佳い年となるよう全力でやり抜きましょう。
話は変わりますが、先日、NHKのクローズアップ現代で「世界が注目! 日本の教育『TOKKATSU』の意義は?」が放送されていました。『TOKKATSU』(“特活”)は、特別活動の略です。いま世界で、学級会や日直など日本式教育「特別活動(TOKKATSU)」に熱い視線が注がれているそうです。民主化運動「アラブの春」以降、混乱が続くエジプトでは大統領肝いりの政策として全国で導入され、子どもたちに革命的な変化が起きたと評されています。こうした日本式教育のモデル校が、この6年で50校以上に増加し、応募は定員の数倍にのぼるといいます。日本では国語、社会、数学、理科などの教科に加えて、協調性や課題を解決する力などを育むことを目的に、この特別活動が国の学習指導要領で定められています。具体的にはホームルーム(学級)活動、生徒会活動、そして学校行事です。こうしたものに加えて日直や掃除など、生徒が主体となって学校を運営する日本独自の『TOKKATSU』がエジプトをはじめ、インドネシアやマレーシア、モンゴルなどで取り入れられているのです。中でも、国を挙げて導入が進められているのがエジプトだそうです。エジプトのある校長先生は「『TOKKATSU』は起きたときから寝るときまで生かせる。人間としての振る舞い方、相手を敬う姿勢、礼儀正しさ、全てが含まれます」と話されていました。私たちがごく自然に受けてきた『TOKKATSU』が海外ではこのように評価されているのです。私も『TOKKATSU』を大切にしたいと思っています。この『TOKKATSU』のねらいを具体的な姿にしたのが本校の「生活信条」だと思います。文徳生みんなで本校建学の精神の下、「生活信条」を指針にして実践を積み重ねたいと思っています。まずは、当たり前のことを当たり前にする「凡事徹底」です。
最後に、新型コロナ、季節性インフルエンザともに油断はできず、感染防止に努める必要があります。どちらも感染予防のためワクチン接種が推奨されています。今年も日々の生活においては、場面に応じた感染対策を心掛け、手洗い、うがい、換気等、更にしっかり取り組んでいきましょう。