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2015年12月の記事

ウサギとカメ

2015年12月7日

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文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ 第138号

 

『ウサギとカメ』

学校長 荒木 孝洋

 

次に、なぜ私のように必ずしも明確な目標や目的を持っている必要がないと考えたのか? この二つの『なぜ?』という問いのどちらにも答を見つけて欲しいのです、といった話です。

 

是か非か?」といった二者択一の選択を迫る番組が闊歩し、人間的曖昧さを許容しない番組が増えています。相手を罵倒したり、「そうか」「そうなの」と頷くばかりの番組はインパクトはあるが残像感がありません。人は誰でもそうですが、同じ問いにも、時には、YESかNOかと揺れ動いたり曖昧なまま結論が出ないことがあります。子どももしかりです。特に、価値意識を形作る若いときには、悪さをしても「親は許さないが、誰かが、どこかで、自立の模索として許している」そういう関係が社会の中には必要です。二者択一の思考は、賛否の片方を排除する価値意識しか育ちません。ウサギにはウサギの、カメにはカメの言い分があるはずです。前提を疑い、二者択一を疑ったうえで、自ら問いを設定し、自ら答えを提案できる人になって欲しいと思っています。その為には「人間の持つ曖昧さを許容する心の広さを持つこと」「正解を教えてもらおうという心の癖を捨て、自らの頭で考える習慣を持つこと」が大切だと考えます。